ムービー全体の長さをBGMに合わせて微調整する方法
ムービー全体の長さをBGMに合わせて微調整する方法
テンプレートでムービーを作成するとき、映像と音楽(BGM)のタイミングがずれることはよくあります。
大抵はBGMをフェードアウトしてタイミングを合わせますが、ムービー全体の長さを微調整して、BGMの終わりとムービーの終わりをピッタリ合わせるという編集も可能です。
BGMの長さに合わせてムービー全体の長さを微調整するためには、After Effectsのタイムリマップ機能や時間伸縮機能を使うことが効果的ですよ。
ここでは、それぞれの機能を使って、ムービー全体の長さをBGMにぴったり合わせる方法を解説します。
方法1: 時間伸縮を使った微調整
時間伸縮機能は、ムービー全体の再生スピードを一括で変更し、BGMの長さに合わせることができます。この方法は、細かなタイミング調整が不要で、全体の速度を均等に速めたり遅くしたりしたい場合に便利です。
手順:
- 最終出力用のコンポジションを選択して開きます。
- 調整したいコンポジションを選び、レイヤー > 時間 > 時間伸縮(またはショートカットキー
Ctrl+Alt+R
/Cmd+Option+R
)を選択します。
- 時間伸縮の設定ウィンドウが表示されますので、ここでBGMとタイミングを合わせるために必要となるムービーの全体時間を入力します。時間の長さを直接入力できるので、手軽に時間調整が可能です。
- 調整が終わったら、OKボタンを押して時間伸縮を適用します。ムービー全体がBGMに合うように、均一な速度で調整されます。BGMの終了時間を確認し、それにぴったり合うように時間を指定しましょう。
時間伸縮機能は早送りとスロー再生を行うので、極端に早くしたりスローにしすぎると、見た目的に違和感が生じるので注意が必要です。
あくまでも1-30秒程度の微調整として使った方がよいでしょう。
時間伸縮のメリット:
- 時間伸縮は、映像全体を均等に速めたり遅くしたりするため、映像のテンポが一貫して保たれます。
- 細かい操作が不要で、一度の操作で映像全体の長さをBGMに合わせることができるため、手軽に調整可能です。
時間の長さが長くなる場合
BGMの長さに合わせてムービー全体を調整する場合、コンポジションの時間が不足していることがあります。そんなときは、コンポジション設定からデュレーション(時間)を延長することで、ムービー全体の長さをBGMに合わせることができます。その具体的な手順は以下の通りです。
コンポジション設定からデュレーションを変更する手順
- 「出力16:9」などの出力用のコンポジションを選択します。
- コンポジション > コンポジション設定(ショートカットキー
Ctrl+K
/Cmd+K
)を選択します。この操作でコンポジション設定ウィンドウが表示されます。 - **デュレーション(Duration)**の項目に移動し、BGMの長さに合わせた時間を入力します。たとえば、8分00秒の場合は、
00:08:00:00
のように設定します。
ここで入力した時間がコンポジション全体の時間になりますが、ムービーとして出力する部分の時間指定は、ワークエリアとよばれる別の範囲指定で行うことができます。その為、少し多めの長さに伸ばしておいても問題ありません。
- デュレーションを変更したら、OKボタンをクリックして設定を反映します。
- コンポジションのデュレーションが延長されたことで、タイムライン上でのコンポジションの尺が長くなります。この後、BGMに合わせてムービーの内容を調整したり、追加で要素を挿入したりすることができます。時間伸縮の機能を使って、ムービーの長さを長く調整しましょう。
- ムービーとして出力される範囲は、ワークエリアと呼ばれる範囲です。自分で時間調整を行った方は、最終的にムービーとしてレンダリングを行う際には調整が必要となる項目ですが、忘れやすい点でもあるので、時間伸縮を使って長さを調整した段階で正しい位置に直しておくことをお勧めします。
方法2: タイムリマップを使った微調整
タイムリマップは、ムービー全体の再生スピードを自由に調整できる機能です。特に、ムービーの特定の部分だけ速度を変えたい場合に便利です。
手順:
- 最終出力用のコンポジションを選択して開きます。
- 調整したいコンポジションを選択し、レイヤー > 時間 > タイムリマップ使用可能(またはショートカットキー
Ctrl+Alt+T
/Cmd+Option+T
)を選びます。
- タイムリマップが有効になると、時間インジケーター上にキーフレームが表示されます。これを使ってムービーの長さを調整します。
- 次に、ムービー全体の終了位置を、BGMの終了位置に合わせます。最後のキーフレームをBGMの終了ポイントにドラッグして移動させます。さらにレイヤーの端部分、ムービー全体の時間の範囲を指定するワークエリアと呼ばれる範囲も、BGMと同じ長さになるようにドラッグして調整します。
- タイムリマップの機能を使い、必要に応じて中間部分のキーフレームを調整して、特定の場面をスムーズに再生させたり、部分的に速度を速めたり遅くしたりすることもできます。タイムリマップ用のキーフレームをたくさん追加して部分的に早送りやスロー再生を作ることも可能ですが、初心者の方には難しいのでお勧めしません。
タイムリマップを使うメリット:
- タイムリマップは、ムービー全体だけでなく、部分ごとに再生速度を調整できるので、映像に合わせた微調整が可能です。
- 特定の部分でゆっくり再生させたり、加速させることで、映像演出にも活用できます。
まとめ
After Effectsでムービー全体の長さをBGMに合わせて微調整する際は、タイムリマップ機能と時間伸縮機能が便利です。
- タイムリマップは、部分的な速度調整が可能で、映像演出をさらに強化したい場合に適しています。
- 時間伸縮は、全体の長さを均一に調整したいときに手軽に使える方法です。
それぞれの方法を使い分けて、BGMのタイミングにぴったり合った映像を作り上げましょう。
Posted by nonnofilm on 2024年10月17日
カテゴリー: AfterEffectsとテンプレートの使い方